貯蔵

上ではディーゼル云々などというところから終盤は潔癖ともとれる発言に至っていますが、そこまで理想主義に走ろうとしたら動くものも動かなくなります。
そして話の流れからすれば扱っても良さそうな電気自動車も見事に扱わず。というわけでここで扱います。
現時点で電気自動車に使われる電池はニッケル水素(Ni-MH)が主であると思われます。そして今後はリチウムイオン(Li-ion)が主流となるでしょう。これらの電池は既に乾電池と同型のものやノートPCなどで用いられていることから一般にも割と知られているものだと思います。過酷な環境での使用に耐えうることなど自動車特有の条件が付加されるとはいえ、既に一般的な技術を使うことから比較的安価に製造でき、これらの電池が使われるのは自然なことと言えます。
しかしながらこれらの電池の欠点として充放電回数の制限があります。一般にNi-MHで500回程度、Li-ionでも1000回程度と言われていますが、使用条件によって増減するでしょう。また、特にNi-MHで問題となるのがメモリ効果と言われる現象です。この現象についてはよくLi-ionでは起きないと言われますが、実際にはNi-MHほど顕著ではなくともLi-ionでも起こっているもので、充放電性能の劣化を招きます。
これらの欠点は自動車用としては使い勝手を大きく制限するものとなります。充放電回数が500回というとそれなりに使えそうにも見えますが、毎日自動車で通勤して帰宅後に充電ということを繰り返したら1年半程度しか持たない計算になります。1年半ごとに専用の電池を買い換えなければいけないというのはコストがかかりすぎてしまうのではないかと思います。*1また、メモリ効果を気にして充電を控えると充放電回数の問題も緩和されますが、そうすると運転に際して電池の残りを常に考慮する必要が出てきます。もっとも、これは現在のガソリン車でも同様ですが。
さて、これらの問題に対する解はどこにあるでしょうか? 現時点で最良の解と言えそうなのが「電気二重層キャパシタ」と呼ばれるものです。これは平たく言えばコンデンサの仲間になりますが、Ni-MHやLi-ionに代表される二次電池と比べるとメモリ効果が無視できること、そして何より充放電回数が10万回ともそれ以上とも言われるほど桁違いになっているという特徴があります。
こうやって比較すると電気二重層キャパシタがとても魅力的にも見えますが、もちろん欠点もあります。現状での最大の欠点は重量あたりの容量が小さいこと。先日の日記で書いた単三のNi-MHでは1.2V/2700mAhなのでWh換算では3.24Wh、30gなので重量で容量を割ると108Wh/kgとなります。対して電気二重層キャパシタでは現状10Wh/kg程度が主で最大でも20Wh/kgに達するかといったところで差は歴然としています。ちなみに20Wh/kgを単三で換算すると500mAhと初期のNi-MHにすら及ばずニッケルカドミウム(Ni-Cd)のものにも劣る有様です。
他にもコストがかなり高くつくということもありますが、これはどちらかというと量産によってコストダウンを見込めるものと思われます。
ともあれ更なる改良がなされれば結構化けるのではないかと若干期待しています。


ちなみに、色々とぐだぐだ書いていますが、ちゃんと調べて書いているわけでもないので全てを真に受けたりせず話半分くらいで見ていただければと思います。正確な知識が欲しい方は他のまともなサイトで調べものをしましょう。

*1:ノートPCのバッテリでも万単位の値が付きますので、サイズを考えると頭が痛くなるくらいの値になるのではないかと思います。